進んで学ぶ子 思いやりのある子 心と体をきたえる子
 
トップページ > お知らせ

阿賀野市立水原小学校
〒959-2025
新潟県阿賀野市岡山町4番35号
TEL:0250-62-2005
FAX:0250-62-3005
お知らせ
学校だより 巻頭言 1月号

 
午年を迎えて  校長 伊藤喜一

新年を迎え、久しぶりに子どもたちが元気な顔で登校してきました。児童玄関からは、「おはようございます。」の元気なあいさつが聞こえてきます。きっと家族の皆様と楽しい正月を過ごすことができたのでしょう。今年も、子どもたちと皆様にとりまして、希望に満ちた充実した年になることを願っています。今年は、午年です。馬は知能も高く、社会性の強い動物で、野生のものも家畜も群れをなす傾向があると言われています。馬にかかわることわざや故事などがたくさんあります。例えば、「馬の耳に念仏」、「馬子にも衣装」「老いたる馬は道を忘れず」などのことわざは、よく知られています。私がこれこそ人生の核心をついていると思うのが、「人間万事塞翁が馬」という故事です。御存知の方も多いと思いますが、こんな故事です。『昔、中国の北方の砦に占いの得意な老人が住んでいました。ある日、老人が飼っていた馬が逃げてしまいました。近所の人達が老人を慰めにいきました。すると、老人は、「これは、幸いになるだろう。」と言いました。数か月後、逃げた馬は、立派な名馬をたくさん連れて帰ってきました。そこで、近所の人達が、お祝いに行きました。すると、老人は、「これは、災(わざわ)いになるだろう。」と言いました。しばらくすると、老人の息子が馬に乗って遊んでいたら、その馬から落ちて足の骨を折ってしまいました。そこで、近所の人達がお見舞いに行きました。すると、老人は、「これは、幸いになるだろう。」と言いました。一年後、隣国との戦乱が起こり、若者たちはほとんど戦死してしまいました。しかし、老人の息子は、足を骨折していたので、戦いに行かずに済み、命が助かりました。この故事から、「不幸(災い)」と思えることが、後に「幸い」となることもあり、またその逆もあるということのたとえとして、「塞翁が馬」と言われています。私がこの故事を初めて知ったのは、高校生の時に「漢文」を学習した時でした。なかなかおもしろい故事だなあと思っていました。今までの自分の歩んできた生活を振り返ると、「塞翁が馬」の故事のようなことが何度かありました。例えば、数年前に家族がけがをして入院したことがありました。その時には、家族のことが心配で、とてもつらい思いをしました。しかし、このことをきっかけにし、家族のありがたさがよく分かり、家族の絆が一層強くなったと思いました。その反対に、仕事が順調に進み、やや自信過剰になり、思わぬ失敗をしたこともありました。たぶん皆様にも、「塞翁が馬」のような経験があると思います。午年を迎え、改めて「人間万事塞翁が馬」という故事の教えを噛(か)みしめてみたいと思います。たとえ、どんなにつらいことや困難なことがあっても、いつかはきっと解決でき、良いことがあることを信じ、ゆっくりでも、一歩一歩確かな歩みをしていきたいものです。