進んで学ぶ子 思いやりのある子 心と体をきたえる子
 
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阿賀野市立水原小学校
〒959-2025
新潟県阿賀野市岡山町4番35号
TEL:0250-62-2005
FAX:0250-62-3005
お知らせ

揺らぎを受け容れる器  教頭 土田 暢也

「卒業まであと○○日」。6年生の教室に掲示されています。そして、授業をしながら子どもたちの心身の成長を感じます。それと共に、思春期を迎えた子どもたちの揺らぎを感じることもしばしばです。『【思春期】:第二次性徴があらわれ、生殖可能となる時期。1112歳から1617歳までぐらいの時期。春機発動期。(広辞苑)』思春期は、上記のような生理学的変化に留まらず、多くの複雑な心理的変化が現れる時期でもあります。急激な年間の身長や体重の増加など、体のサイズが大きくなるだけではなく、大人の男性、大人の女性のような体つきへの変化があります。このような身体的変化に伴い、自己像の揺らぎが起こります。大人と子どもの狭間で戸惑い、自己否定的になることもあります。心の空間がまだ大きくなっていないのに、抱えなければならないもの、整理しなければならないこと、考えなければならないことが、急に増えてしまい、どうすることもなく揺らぎ、もがいている子どもたちもいるのではないでしょうか。また、脳の成熟などにより、知的機能が向上し、「正義」「愛」「自分らしさ」「死」などの抽象的なことも考えられるようになります。また、「人から見られた自分」「自分から見た自分」などを意識するようになり、自分の振るまいが他者からどう見られているかが気になったり、マナーや身だしなみに気を付けるようになったりする一方、引っ込み思案になったり、かたくなに自己表現を避けるようになったりする傾向も出てきます。そこで、大人として、心の空間を思春期の子どもたちに貸し、子どもたちが心の作業ができるスペースを作り出す必要があるのではないでしょうか。思春期の揺れを受け容れる。その上で、必要に応じてほめる、叱る、見守る、手を差し伸べることなどを心掛けいくことが大切だと思います。思春期の揺らぎを乗り越えるのは、子ども自身です。大人が解決する必要はないし、また、できるものではないとも思います。ただ、子どもが自力で乗り越えられない問題も少なくありません。だからこそ、すべての子どもたちに、心の空間を貸せる大人が必要なのではないでしょうか。その大人とは、家族であり、親戚であり、地域の人であり、教師であり得ると思います。そして、心の空間を貸せる大人であり続けたいと思う今日この頃です。

 
午年を迎えて  校長 伊藤喜一

新年を迎え、久しぶりに子どもたちが元気な顔で登校してきました。児童玄関からは、「おはようございます。」の元気なあいさつが聞こえてきます。きっと家族の皆様と楽しい正月を過ごすことができたのでしょう。今年も、子どもたちと皆様にとりまして、希望に満ちた充実した年になることを願っています。今年は、午年です。馬は知能も高く、社会性の強い動物で、野生のものも家畜も群れをなす傾向があると言われています。馬にかかわることわざや故事などがたくさんあります。例えば、「馬の耳に念仏」、「馬子にも衣装」「老いたる馬は道を忘れず」などのことわざは、よく知られています。私がこれこそ人生の核心をついていると思うのが、「人間万事塞翁が馬」という故事です。御存知の方も多いと思いますが、こんな故事です。『昔、中国の北方の砦に占いの得意な老人が住んでいました。ある日、老人が飼っていた馬が逃げてしまいました。近所の人達が老人を慰めにいきました。すると、老人は、「これは、幸いになるだろう。」と言いました。数か月後、逃げた馬は、立派な名馬をたくさん連れて帰ってきました。そこで、近所の人達が、お祝いに行きました。すると、老人は、「これは、災(わざわ)いになるだろう。」と言いました。しばらくすると、老人の息子が馬に乗って遊んでいたら、その馬から落ちて足の骨を折ってしまいました。そこで、近所の人達がお見舞いに行きました。すると、老人は、「これは、幸いになるだろう。」と言いました。一年後、隣国との戦乱が起こり、若者たちはほとんど戦死してしまいました。しかし、老人の息子は、足を骨折していたので、戦いに行かずに済み、命が助かりました。この故事から、「不幸(災い)」と思えることが、後に「幸い」となることもあり、またその逆もあるということのたとえとして、「塞翁が馬」と言われています。私がこの故事を初めて知ったのは、高校生の時に「漢文」を学習した時でした。なかなかおもしろい故事だなあと思っていました。今までの自分の歩んできた生活を振り返ると、「塞翁が馬」の故事のようなことが何度かありました。例えば、数年前に家族がけがをして入院したことがありました。その時には、家族のことが心配で、とてもつらい思いをしました。しかし、このことをきっかけにし、家族のありがたさがよく分かり、家族の絆が一層強くなったと思いました。その反対に、仕事が順調に進み、やや自信過剰になり、思わぬ失敗をしたこともありました。たぶん皆様にも、「塞翁が馬」のような経験があると思います。午年を迎え、改めて「人間万事塞翁が馬」という故事の教えを噛(か)みしめてみたいと思います。たとえ、どんなにつらいことや困難なことがあっても、いつかはきっと解決でき、良いことがあることを信じ、ゆっくりでも、一歩一歩確かな歩みをしていきたいものです。

 現在、私たちを取り巻く混沌とした社会の中で、人間関係の希薄化が急速に進んでいると言われています。その結果、人間関係づくりが上手にできない子ども,自己中心的な振る舞いが多い子ども,集団の中で自分の感情を表に出せない子どもなどが、どの学校でも多かれ少なかれいることも事実です。子どもが集まり学ぶ場である学校において、このような問題を打開するためには、好ましい人間関係づくりを意図した教育活動が急務であると痛感しています。そして、学校におけるたくさんの「かかわり」の中で、子どもたちは多くのことを学んでいくものだと考えています。さて、水原小学校は数年前から「相手も自分も大切にする人間関係づくり」に取り組んでいます。1年間を通して、いろいろな教育活動に「人間関係づくり」の場面を取り入れています。そして、先月は「かかわり」という視点でこれまでの取組の成果が見られました。1つ目は、「子どもの授業の様子」からです。先月の11月15日に阿賀野市の教職員が参加する教育研究発表会を開催し、3年生と5年生のそれぞれ1学級が国語の授業を公開しました。今年度の校内研究の視点の1つである「子ども同士の学び合い」の姿も見ていただきました。学び合いの目的は以下の点にあります。『分からない子が分かるようになる。』『分かる子は、自分の考えを確認し、分かってもらえるように、よりよい説明の言葉を活用するようになる。』どの学級でも上記の姿を求めて、学年に応じた指導方法を模索しています。そして、当日授業公開した両学級の子どもたちからは、「学び合い」の姿を見ることができました。2つ目は、11月22日に行われた児童会行事「水小まつり」の様子からです。3年生以上の全学級が、全校児童を楽しませようと、楽しいお店を開きました。当日までの段階でも、各学級内でお店の内容を決めるための話し合い、出店を準備する際のやり取りなど、子ども同士の「かかわり」の姿が見られました。また、当日も10月の「わくわくタウン水小」で培った礼儀やマナーを振り返り、再度実践する子どもたちがたくさんいました。実際、どのお店を回ってみても、笑顔で「こちらに並んでください」「では、やり方を説明します」と呼びかける微笑ましい姿が見られました。また、お客になった子どもたちも、順番を守って並んだり、「楽しかったです」と声をかけたりと、マナーを守る姿が見られました。「かかわり」は目的ではなく、自分自身を成長させるための一手段です。しかし、子どもたちが学んでいく上で、多くの大人や子どもとのかかわりが不可欠です。かかわることで自分を見直したり、他の考えと比べたりして、多くのことを学んでいきます。水原小学校では、これからも教育活動の中に「かかわり」を意図したものを積極的に取り入れ、豊かな人間関係づくりを進めていきたいと思っています。

 瓢湖には、冬の使者白鳥も訪れ、秋も一段と深まってまいりました。子どもたちは、毎日元気に学校生活を過ごしています。9月26日(木)には、雨が心配な空模様でしたが、マラソン記録会を行いました。子どもたちは、元気一杯、最後までよく頑張りました。子どもたちは、この日のマラソン記録会を目指し、マラソン旬間で毎日マラソンの練習を積み重ねてきました。その成果を十分に発揮することができました。走るのが得意な子にとっては、マラソン記録会は、楽しみな学校行事です。しかし、走るのが苦手(にがて)な子にとっては、マラソン記録会はあまり楽しくない学校行事です。「もしも、一生懸命走っても、順位が終わりの方だったら、嫌(いや)だなあ。」と思っていた子も多くいたと思います。各学年の1位や2位になった子は、さすがに見事な走り方をしていました。トップで走ってきて、大勢の人たちに注目される中でゴールする時は、天にも昇る気持ちだったでしょう。努力したことが実り、うれしさも格別だったと思います。たとえ順位が上位でなくても、どの子もよく頑張りました。私は、特に、順位が終わりの方の子どもたちが最後まで頑張る姿が、強く印象に残りました。高学年の男子のレースの様子です。レースも終盤に近づきました。大部分の子どもたちがゴールをして、グラウンドで腰を下ろして休んでいます。トラックでは、まだゴールを目指して、走っている子がいます。かなり疲れているようですが、歩いたりしないで、精一杯走っています。いよいよゴールが近づいてきました。周りから、大きな拍手が起こりました。「頑張れ!」と声援も聞こえてきます。最後の力を振り絞って、ゴールしました。ゴールした子の表情からは、「よし、やったぞ。」という達成感が伝わってきました。たとえ、順位が終わりの方でも、途中で走ることをやめないで、最後まで走り切ったことは、本当に立派なことです。私も、応援していた皆さんと同じように心から拍手を贈りました。順位が終わりの方で、ゴールした子どもの感想です。『練習のときは、タイムが9分45秒でした。それで、くやしくてマラソン旬間で絶対に体力の限界までがんばるようにしました。それで、本番当日で、ぼくは、順位はよくなかったけど、9分30秒になったので、うれしかったです。あとマラソン記録会のおかげで、すがすがしい日になりました。うれしかったです。』よく「マラソンは、自分との戦いだ。」と言われています。この子は、たとえ順位がよくなくても、自分との戦いで、勝利を収めることができたと思います。これからも、たとえ、苦手なことや嫌なことがあっても、そこから決して逃げないで、乗り越えようとがんばる自信がついたはずです。それぞれの子どもたちの確かな成長を見ることができたマラソン記録会でした。私も、最後まで頑張った子どものように、すがすがしい気持ちになりました。

 2020年の夏季オリンピックとパラリンピックが、東京で開催されることになりました。夏のオリンピックは、1964年の東京大会以来2度目になります。開催都市を決めるIOC(国際オリンピック委員会)の総会で、日本の招致委員会のメンバーが最終プレゼンテーションを行いました。その中で、アテネと北京のパラリンピック(陸上競技)に出場した佐藤真海さんの話が印象に残りました。「スポーツの力」について熱く爽やかに語った一部を紹介します。『 私がここにいるのは、スポーツによって救われたからです。スポーツは私に人生で大切な価値を教えてくれました。それは、2020年東京大会が世界に広めようと決意している価値です。(中略)19歳の時に、私の人生は一変しました。私は陸上選手で、水泳もしていました。また、チアリーダーでもありました。そして、初めて足首に痛みを感じてから、たった数週間のうちに、骨肉腫により足を失ってしまいました。もちろん、それは過酷なことで、絶望の淵に沈みました。でも、それは大学に戻り、陸上に取り組むまでのことでした。私は目標を決め、それを超えることに喜びを感じ、新しい自信が生まれました。そして、何より、私にとって大切なのは、私が持っているものであって、私が失ったものではないということを学びました。(中略)しかし、2011年3月11日、津波が私の故郷の町を襲いました。6日もの間、家族が無事であるのかどうか分かりませんでした。そして、家族を見つけ出したとき、自分の個人的な幸せなど、国民の深い悲しみとは比べものにもなりませんでした。(中略)私たちは、スポーツ活動を通して、自信を取り戻すお手伝いをしました。そのとき、初めて、私はスポーツの真の力を目の当たりにしたのです。新たな夢と笑顔を育む力。希望をもたらす力。人々を結びつける力。(中略)』佐藤真海さんのすてきな笑顔の裏には、様々な苦難を乗り越えてきた自信と強さが満ち溢れ、心を打たれました。スポーツに限らず、自分が継続し、努力して築いてきた力と経験は、混沌とした社会を生き抜くための大きな力になり、人生に潤いと喜びをもたらします。また、周囲の人と共に汗を流し、過ごしてきた時間は、友情や信頼の心を育みます。水原小学校の子どもたちが、7年後の東京オリンピックを迎える時に、どのような成長を遂げているのか、楽しみです。そして、世界中のアスリートが、様々な課題を克服し、辿り着いた夢の舞台で表現するパフォーマンスとオリンピックの価値を、是非、自分の目で確かめたいと思っています。

 

 平成24年度から実施しています「家庭学習強調週間」。今年度も水原中学校のテスト期間と合わせて実施しました。「学年×10分」を目安にした家庭学習時間を何%の子がクリアできるかを調査します。今回は、全校集計で92%の子が「学年×10分」をクリアしました。「テレビを消して集中してできた」という子が多く、また、「子どもの家庭学習をじっくり見る良い機会となった」という保護者の方の感想もいただきました。今後も、子どもたちの学力向上にご協力をお願いいたします。

 9月に入りました。学校では、子どもたちの元気な声が飛び交っています。夏休みの間、大きな事故等の報告はありませんでした。保護者、地域の皆様が子どもたちに適切な指導をしていただいたお陰だと感謝しております。学校では、登下校の仕方、帰宅後の自転車乗り等の指導をより一層徹底していきます。しかし、帰宅後、地域で生活する子どもたちの交通安全等にかかわる気になる行為(飛び出し、自転車の危険な乗り方等)については、是非、その場で保護者、地域の皆様から声を掛けていただきたいと思います。学校、家庭、地域が一体となり、子どもたちの健やかな成長のために手を携えていきたいと思います。

 昔から、流れ星が消えないうちに願いごとを三度唱えるとかなう、と言われています。ところが、流れ星が飛んだ時には、いつも「あっ」という間に消えてしまうことが多いものです。お盆前に、「真夏の夜空を彩るペルセウス座流星群が、8月12日深夜から13日未明にかけて見頃を迎える。」という新聞記事が目に止まりました。今年はピーク時に月明かりがなく、観測するには、20年に一度の最も好条件ということでした。是非ともこのチャンスを見逃さないで、流星群を観測したいと思いました。流星群のピークは、8月13日の午前3時頃ということで、午前3時前に起き、自宅の前に出て、夜空を見上げました。幸い雲はあまり出ていないようで、夜空には多くの星が輝いていました。さすがに、深夜なので、日中の暑さを忘れるくらい涼しくなっていました。辺りからは虫の声も聞こえてきました。まず、北東の夜空に向かって、カシオペア座を探し、しばらく星空を眺めていました。5分ほど立つと、流れ星が一筋の光を放ちながら、夜空を流れていきました。カシオペア座の近くのペルセウス座の周辺から八方へ、時々流れ星が流れていきました。ペルセウス座が真上近くなので、しばらくすると首が痛くなりました。首の痛みに堪えながら、しばらくの間、星空に目を凝らしました。星空を眺めていると、小学生の頃、友達と宇宙のことについて語り合ったことを思い出しました。「果たして、宇宙は、無限に広がっているのだろうか?それとも、どこかに、宇宙の端があるのだろうか?」宇宙の謎にとても心が引かれたことがありました。学校の図書室で、友達と宇宙関係の本を探し、宇宙のことを調べましたその頃から、星空を眺めることが好きになりました。世の中には、不思議で分からないことがたくさんあるんだなあと思いました。宇宙の謎は、大人になった今でも、とても興味があります。時々、宇宙関係の本を読んだり、星座を眺めたりしています。特に、好きな星座は、夏の白鳥座と冬のオリオン座です。ところで、肝心の流れ星の観測の方は、約30分間で、22個の流れ星を見ることができました。22個の流れ星は、消えるスピードも様々でした。中には、やや長く光を放ちながら、消えていった流れ星もありました。その間に、いくつかの願いごとを唱えることができました。その願いごとの中には、水原小学校の子どもたちが、9月から全員元気で、学校生活を過ごすことができますようにと、もちろんお願いしました。太古の昔から世界各地で、多くの人々が星空を眺め、星座を考えたり、宇宙の謎を追究したり、果てしなく続く彼方へ思いを馳せたりしてきました。「悲しいことやつらいことがあったら、夜空の星を眺めてごらん。果てしなく続く広い宇宙を見ていると、自分の悩みごとがちっぽけなものになってくるよ。」 こんなことを、子どもの頃に聞いたことがあります。つらいことがあっても、なくても、時には夜空の星を眺めてはいかがでしょうか。

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